こんにちは。たぐちです。
「京大卒社会人にインタビューする企画」第8弾テーマ『日本の教育について思うこと』。
今回はインタビューではなく僕自身の話を投稿します。
皆さんは子どもの頃の自由研究の宿題を楽しくやっていましたか?
子どもは好奇心の塊なので、うまく誘導すればどんどん自ら探求して自由研究が進むのではないかと思うのですが、残念ながら現状ではそのように誘導できていないと思います。
そこで今回は、僕が小学校4年生の時にやっていた自由研究の内容を踏まえて、大人になった今どのように誘導するべきだったかについて考えていることを投稿します。
一応、京大大学院と社会人になってからも研究をずっとやっているので、そこそこ参考になる話だと思います。
また、夏休みの宿題に限らず自由研究は現代や近未来にとても重要になる勉強方法だと思うので、ご家庭でもぜひ参考にしてみてください。
自由研究の課題はもっと改善してほしい
コンピューターやAIなどの技術発展が著しい現代において、”必要な能力が何か”は、いたるところで議論されているテーマだと思います。
少しずつ日本の学校教育も変化しているようですが、今後もっと大きな変化が起こるだろうし、起こるべきだと考えています。
特に、小学校の夏休みの宿題で毎年出されていた自由研究については改善するべき点が多々あるように感じています。
実は、当ブログでやっている、”テーマに沿ったインタビューの企画”の中で「子どもの頃やっていた自由研究」というテーマを設けていましたが、約10人いるメンバーの中でほとんど誰も内容を覚えていませんでした。

みんなの経験を参考にしたかったんですが・・・残念ながらこのテーマはボツになりました。
記憶にも残っていないのであれば、現在の自分に活きているとは考えにくいです。
では自由研究は必要ないのかと言われると、決してそうではないと思います。
個人的見解ですが、1番の問題点は”自由研究を指導できる人がいないこと”だと思っています。
例えばインターネットで『自由研究 ネタ』と検索するといろんな情報が出てきますが、その多くは”研究”と呼べるようなものではなくて、”ただの科学実験”だったりします。
それをやってみたとしても書いてあるとおりになるだけで、「ふ~ん」と思って終わってしまいます。
僕は、自由研究が教育に役立つために必要なものは”仮説検証”を誘導することだと思います。
何でもいいので疑問を持ち、「それはこういうことじゃないか」と仮説を考え、実際に確認してみようと検証するプロセスが必要だと思っています。

単純な情報処理はコンピュータが得意なので、人にしか出来ないことの価値が上がってくるはずです!
自分なりに考えた結果が予想通りなのか、予想外なのか。どちらの場合であっても学ぶものはあります。
また、実際にやってみると「なぜ予想が当たったのか」とか、「別のパターンはどうなるのか」とか、新たな疑問を生むきっかけにもなります。
ネットに書いてあるような科学実験のネタを一通りやるだけでは、最初に自分なりの考えが無いので疑問が生まれにくいです。
それなら「仮説検証のプロセスを指導すれば良い」とも思いますが、それを教えられる人が学校にも家庭にもほとんどいないのは仕方のないことだと思っています。
自作電池で発光ダイオードを光らせる自由研究
具体的なエピソードとして、僕が小学校4年生の時に提出した自由研究の内容を紹介します。
僕は自宅にあった科学図鑑で「小銭で電池ができる」ということを知りました。
1円玉と10円玉を交互に重ね、それらの間に食塩水をつけた脱脂綿(ティッシュ)を挟むというものです。
僕は親に小銭と発光ダイオードを借りて、図鑑に書いてあった電池を実際に作ってみました。
図鑑の通り、発光ダイオードは点灯して実験は成功しました。

ここまではただの科学実験という認識です。
そこで疑問が浮かびました。
「もっと1円玉と10円玉を増やして重ねれば、もっと強く発光ダイオードが光るのではないか」と。

まだ電圧とか電流とかは習ってなかった頃なので、自分の中では”仮説”でした。
その仮説を検証するため、親からさらに1円玉と10円玉を借りました。
重ねる枚数を増やすと光は強くなり、僕の仮説が正しかったことが検証できました。
ただ、ここで困ったことがありました。
「光の強さをレポート用紙に表現することができない・・・」ということです。
当時は明るさの単位は知らなかったし、そもそも測定する機械は家にありません。
そこで自分なりに考えて、「暗い部屋に行って発光ダイオードの光が届く距離を定規で測り、その距離で表現しよう」と考えました。
かなり大雑把な方法ですが、自分なりに評価方法を考えて何とか定量化していたので、我ながらよくやったと感じています。
そのように”1円玉と10円玉を重ねた枚数と光が届く距離の関係”、すなわち”電圧と明るさの関係”を調べてみた結果、約10枚以上重ねたところでそれ以上明るくならなくなってしまいました。
その結果を受けて、僕は次のように考えました。
「電池は強くなってるんだけど、これがこの発光ダイオードの限界だ。」
次はこの仮説を検証するために、自宅にあった単三電池を持ってきて発光ダイオードにつないでみました。
すると先ほどよりもだいぶ明るくなり、光が届く距離も格段に長くなりました。
「僕の作った電池が単三電池よりも弱いだけで、発光ダイオード自体の限界ではない」ということまで確認・検証できました。
当時の僕にはそれ以上考えても進めることができなかったため、そこまでの内容で提出しました。

まとめるのも難しくて、指導してもらえたら全然違っていたと思います。
うまく誘導してくれればもっとハマれていたかもしれない
我ながら、誰にも指導されることなく自分で考えて実施した自由研究としては良い内容だと思っています。
しかしこの内容で提出しても、学校の先生は特に何のコメントもしてくれませんでした。
なので当時は良い内容とも思わなかったし、「それ以上調べてみたい」とか「勉強してみたい」とも思わず、「よくわからんかった」で終わってしまいました。

これがかなりもったいないと、今では思います。
今になって思うと、教師や親といった大人たちがもう少しうまく誘導してくれたら電池についてハマっていたかもしれないなと思います。
例えば「1円玉と10円玉の並べ方を変えてみたらどうなるだろう」とか、「別の硬貨にしたらどうだろう」、「食塩水は薄めにしたらどうなるんだろう」、「これはどのぐらいの時間持つんだろう」、「枚数と持続時間は関係があるのかな」等々・・・
ちょっと疑問を投げかけてくれるだけでも、興味を持って調べることがいくらでもできたと思います。
本来ならば学校教育でもやってほしいですが、すぐには難しいと思うので、少なくとも自分の子どもに対しては、疑問を持ったりそれを調べてみたりするように声かけしてみようと思っています。
もしうまくいきそうなら、民間の個別指導のような形式から教育を変えていくのが良いかもしれません。
今後考えていきたいと思います。
さて、これからも考え方や性格の違うメンバーにインタビューをして、それぞれの価値観を聞いて、皆さんにも役立つと思う内容を投稿していきたいと思います。
今回と同じテーマで『日本の教育について思うこと』を色んなタイプの友人にインタビューしています。
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それではまた!
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